ガラホナイ国立公園

カナリア諸島のラ・ゴメラ島にある世界遺産「ガラホナイ国立公園」について調べました。1986年、スペイン初の自然遺産として登録されました。

大西洋に浮かぶカナリア諸島は火山活動によって誕生しました。ラ・ゴメラ島も溶岩でできた火山島です。島の北部には、スペイン人が「ロスオルガノス(パイプオルガン)」と名付けた柱状節理の崖が表情豊かにそびえたちます

ラ・ゴメラ島の大部分は岩がちな乾燥地帯です。海辺の乾燥地帯では砂漠と同じくらいの降水量しかない所もあります。ところが島の最高峰である標高1487mのガラホナイ峰の上の方だけが緑に覆われています。この森が世界遺産に登録されました。

高1000m付近から緑に覆われている理由は、カナリア諸島の上空で一年中吹いている貿易風にあります。海上で発生した雲を島に運び、特に高度1000m付近の風は湿気を多く含んでいます。、あまり雨の降らない島に、毎日のように現れる雲が湿気をもたらしています。その湿気が森を育みました。

また貿易風は、この島で一年に20日ほどしか見られない滝雲という現象を起こします。雲が山の稜線を超えて滝のように流れ落ちる世にも美しい自然現象が見られます。

森の中には照葉樹が密生しています。この地域の固有種ビニャティゴという何本も生えているように見える一本の木があります。古い幹が朽ちても新しい幹を次々に作ることで命を繋ぎ、一つの根で何百年も生き続けています。

そして、主に熱帯地域で栽培されているバナナが育てられています。水を多く必要とするバナナが育つ天然の貯水タンクがあります。

それは苔です。苔が湿気を捕らえ、雲の小さな水の粒を水滴にします。雫はやがて清流となります。これが、雨が降らなくても豊かな水が生まれる自然からの恵みです。

地球に氷河期が訪れた際、カナリア諸島では氷河期に見舞われませんでした。照葉樹の森は生き残りました。貿易風がもたらす雲によって水にも恵まれ、世界でも貴重な照葉樹の森が残っていることで世界遺産になりました。

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テイデ国立公園

カナリア諸島のラ・ゴメラ島にある世界遺産「ガラホナイ国立公園」について調べました。2007年、スペインの自然遺産として登録されました。

テイデ国立公園には日本の富士山に高さも形も似た山があります。標高3718mのテイデ山です。大西洋では一番高い山で、今も火山ガスが噴出している活火山です。

テイデ山は18世紀の爆発を最後に休火山となっています。比較的古い火山で、地球や海底火山を知る上で重要な場所となっています。

また、テイデ国立公園と火星の環境条件や地質が類似していることが研究で分かっています。そのため、火星で生命の存在を明らかにするための試験が何度か行われました。

テイデ国立公園のある島、テネリフェ島はヨーロッパ人に愛されるリゾート地として人気があります。

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