【世界遺産】ヴァトナヨークトル国立公園
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アイスランドは、北大西洋に浮かぶ島国です。国土のおよそ1割が氷河におおわれている氷の国で、氷の下には噴火を繰り返す火山が幾つもあります。
首都はレイキャビックで、アイスランドの人口の3分の1である12万人ほどが暮らしています。島の中で開発されているのはごく一部で、国土のほとんどは手つかずの大自然です。
アイスランドは北極圏にもかかわらず、比較的温暖な気候で、真冬でも低地の平均気温は、マイナスを少し下回る程度です(北極の平均気温は約-18℃)。
レイキャビックから約400m地点に世界遺産「ヴァトナヨークトル」はあります。そこには、ヨーロッパ最大級の氷河が広がっています。
アイスランドでは平均して数年に一度は、どこかで噴火が起こっています。最も頻繁に噴火する山は、グリムスヴォトン火山です。氷河を覆う黒いものは、噴火で積もった火山灰です。火山の大部分が氷の下にあり、噴火のほとんどは氷底噴火です。
アイスランドの火山活動が活発な理由は、世界でも稀な場所にあるからです。もう一つの世界遺産である「シングヴェトリル国立公園」にはギャオと呼ばれる大地の裂け目が見られます。島は、ユーラシアと北アメリカ、2つのプレートの境目に位置しています。マントルの対流により2つのプレートが引き離され、その裂け目からマグマが噴出しているのです。そのため、火山は大地の裂け目に沿って並んでいます
シングヴェトリル国立公園
そして、氷河がマグマによって溶かされ、大洪水を引き起こすことがあります。あふれ出した水は地形をも変えてしまうほどの自然災害を引き起こします。
1783年、アイスランドの観測史上最大規模の噴火が起きました。地下水がマグマに触れて水蒸気爆発が発生し、長さ26kmにわたり130もの火口が誕生しました。膨大な量の火山ガスが噴出し、やがて霧となり太陽の光を遮った。その影響で世界の気温が低下しました。遠く離れた江戸時代の日本でも天明の大飢饉が起き100万人が餓死したのは、噴火が原因という説が有力です。
ラカギガルから流れ出た溶岩は、琵琶湖の凡そ半分を埋め立てる程の量でした。
噴火から240年が経ちましたが、溶岩の台地にまだ木は生えていません。しかし、土がなくても大気中に含まれる水分を吸収し成長する分厚い、フカフカのコケに覆われています。
1996年、グリムスヴォトン火山の北西で大噴火が起きました。氷の下には大きな湖が隠れていて、噴火によって氷河が溶け決壊しました。氷河によって削られた土砂も一緒に流れ甚大な被害をもたらしました。この時の大洪水では海岸線が800mも沖合に移動しました。海岸の砂浜は岩石由来のため黒色をしています。
2014年、バルダルブンガ山で直線状に噴火(割れ目噴火)が起きました。
ハットルグリムス教会
アイスランドの首都・レイキャビックには火山の国ならではの建物があります。中心部に立つ町のシンボル、ハットルグリムス教会です。
多角形の柱が規則正しく並ぶデザインで、火山が生み出す地形を真似て建てられました。教会のモチーフになったのは、柱状節理(火山から流れた溶岩が、ゆっくり冷え固まって、規則正しい柱のような割れ目をつくる)と呼ばれるものです。
デティフォスの滝
ヨーロッパ最大級の滝・デティフォスの滝があります。氷河が溶けた水が溶岩の台地を流れ続けたことで生まれました。流れ落ちる水は毎秒700トンにもなります。
氷に隠れている火山の場所を教えてくれる目印は窪地です。地熱で氷河の底の氷が溶かされ表面が陥没し、そこに火山がある事を示しています。
氷河の上に現れる火山灰が作りだしたアートがあります。火山灰は風で運ばれ氷河の表面へつき冬になるとその上に雪が降り氷となります。夏には氷河の上に埃などが溜り再び黒い層ができ、幾層にも重なり合い表面がデコボコに溶けることで、マーブル模様を生み出します。
ダイヤモンドビーチ
氷の壁が崩れ落ちて氷山となって湖を漂い、氷の塊はやがて海へでます。氷の欠片が光を浴びてダイヤモンドのように輝きます。溶岩由来の黒い砂浜が氷の輝きを際立たせます。
2019年、火と氷の絶えず変化する自然遺産として世界遺産に登録されました。
参考にした本&サイト
ヴァトナヨークトル国立公園 地図
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