殷王朝後期の遺跡を殷墟といいます。河南省安陽県小屯を中心に発見されました。この遺跡が発見されるまで殷王朝は伝説の王朝といわれていました。

発見の経緯は1899年、当時動物の骨は竜骨と呼ばれ熱病の薬として使われていました。竜骨を砕いているときに劉鉄雲という学者が、古代文字が刻まれていることを発見しました。これをきっかけに、この骨が出た土地の発掘が始まり、殷の宮殿の跡や墓、青銅器などが次々に発見され、殷王朝が実在してことが確かめられました。

甲骨文字は現在の漢字のもとであることが分かり解読され、殷王朝時代の様子や文化が分かるようになりました。

亀の甲羅等に刻まれた甲骨文字からは神託の結果が記され、占いによって統治されていたことが窺えます。太陰暦と太陽暦を組み合わせた暦法などから、科学的・技術的なレベルの高さを知ることができます。

殷墟から発見されたものとして青銅器があります。戈や刀などの武器や斧や鎌などの農具、祭りに使われた器などが埋められていました。

殷の時代には死んでも魂は生きていると考えられていました。王が死ぬと、王が生きている間に仕えた者が、死後も仕えるために埋められたとされています。それを現すかのように、王の墓からは人々の骨が沢山出土しています。

13基の墳墓が発見され、その中でも遺物品が見つからなかった墳墓が紂王のものであり、殷朝滅亡により埋葬されなかったのではないかと推測されています。

殷墟の情報

詳細

住所 河南省安陽市小屯村候家荘北地
営業時間 夏(4月~9月)8:00~18:30
冬(10月~翌年の3月)8:00~17:30
入場券の発売は夏の17:30、冬の16:30までとなります。

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