ローマの郊外35㎞に位置する、約2800年前の遺跡です。岩の大地をくり抜いて作られた通路を抜けると巨大な建造物が現れます。それは、空から見ると円形で、直径は40mほどで、1200もあります。地中海世界最大のネクロポリスです。

これは、紀元前9世紀頃から800年もの間に作られた、地位の高い先住民エルトリア人のお墓です。地上だけでなく、地底にも墓は作られました。

内部は全て石造りで火山灰が固まった凝灰岩を使っています。柱も梁も全て巨大な凝灰岩の一枚岩を掘り抜いて作られています。死後も魂が生き続けると信じられていた為、死者の家として、生前暮らした住まいの間取が再現されています。遺体が安置されていたのは、ベッドの上で、枕も設置されていました。

着目したい点は、柱や壁に施された浮彫です。ロープや壺といった当時の生活用品がモチーフになっています。古代のエルトリア人の死生観や宗教観が分かります。リアルに彫られた装飾は、見事なアート作品です。

空から見ると、岩盤がむき出しになった場所から、墓の材料を掘り抜いた形跡がありました。一枚岩から丸い形に掘り抜き、最後に盛り土をしました。

エルトリアの文明は、古代ローマ帝国が台頭すると衰退してしまいました。しかし、高度な技術は古代ローマの都市づくりへ受け継がれていきました。

【世界史】古代ローマⅠ~王政~

古代ローマの歴史をまとめました。征服した地の住民に市民権を与え、巨大になっていくローマ。エルトリア人も例外ではありませんでした。

エルトリア墓地遺跡群へのアクセス

地下鉄A線コルネリア駅からバスが出ています。

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エトルリア墓地遺跡の情報

地図